妖獄のキュアパイン (3)
こんばんは。以前に紹介した「監獄戦艦」に続いて、ZIZのPIXYゲーム実写シリーズ(?)は、「対魔忍アサギ(5/30発売)」、「対魔忍ムラサキ(7/25発売)」とリリースが続くようです。ゲームをプレイしたことがないので、どのように実写化されているかは分からないのですが、催眠的な要素や、肉体改造要素などが多いようなので、なかなか楽しめそうです。「ムラサキ」では、ギャラリー写真に、主人公のふたなり(もしくはペニスパンティかも)シーンもあったので楽しみ。このあとは、ぜひとも「魔法少女イスカ」の実写化を期待します。
キャストも豪華です
さて今回は、前2つの記事に関連して、おまけのエピローグを書いたのでアップします。ちょっと変わったショートストーリーですが、楽しんで頂ければ幸いです。
キャストも豪華です
さて今回は、前2つの記事に関連して、おまけのエピローグを書いたのでアップします。ちょっと変わったショートストーリーですが、楽しんで頂ければ幸いです。
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<エピローグ 2>
「ナキサケーベ!!」
街郊外の学校の校庭に、突如として現れた巨大な怪物。巨木に手脚を付けたような異形の姿で、暴虐の限りを尽くし校舎を破壊してゆく。
「私たちの学校が!」
「どうして・・・こんなことに・・・」
生徒や教師たちは裏山になんとか逃げたが、そこで不安そうに様子を見つめるばかりだ。
「いけない! 動物小屋の鍵が閉まったままだわ!」
一人の女子生徒が叫ぶのと同時に飛び出した。飼育係の彼女は、動物たちを逃がそうと校舎裏の飼育小屋を目指す。
「あっ、危ないわよっ!」
「戻れっ!」
周りの級友や教師の声にも耳を貸さず一心不乱に進む女生徒。
「もうっ! 一人じゃ危ないわよっ!」
「いつもこうなんだからっ!」
別の女子生徒が2人、前を行く女生徒の後を追った。3人は親友同士だ。危険だが親友を放ってはおけない。
合流した3人は、怪物に気付かれないよう敷地境界の塀の陰から校舎の裏に向かう。しかし、その動きは察知されてしまい、校舎の上から樹木状の手が伸びてきた。
「ナキサケーベッ!」
「あぶないっ!」
間一髪で、一撃を避ける3人だが、その結果、塀と校舎の間の袋小路に閉じ込められる格好となった。目を不気味に紅く輝かせながら、怪物がじりじりと迫ってくる
「ナキサケーベッ!!」
「ど、どうしよう!?」
「どこか逃げ道は無いのっ!?」
青ざめる3人。そのとき、突然、怪物が後ろに倒れ、どーんと大きな地響きが聞こえた。
「えっ!」
怪物は動けないらしい。立ち上がる砂埃の向こう側から、人影が近づいてくのが分かる。
「だ、誰っ!」
警戒する3人の前に現れたのは、白い薄手の衣に身を包んだ長身の女性だった。衣の素材なのか、全身が輝いているように見える。ロングヘアーのエキゾチックな顔立ちに優しい微笑を浮かべている。
「女神様みたい・・」
女生徒の一人には、そのように映ったらしい。たしかに神々しい雰囲気を醸し出している。
「あなたたちのような、勇気あふれる少女を探していました・・」
白い女性が口を開く。
「えっ?」
「あの怪物『ナキサケーベ』に立ち向かえるのは、伝説の戦士プリキュアだけ・・・」
「え? プリ・・キュア?」
「そう、プリキュアです」
顔を見合わせる3人の女子生徒。
「あなたたちにこれを授けます」
白い女性が両手を胸の前で合わせると、掌が輝き出し、赤、青、黄の3色の光が、それぞれの女生徒の手に向かって放たれた。
「え! なにっ!」
光が消えると、女生徒たちの掌に携帯電話のような機器が握られていた。白地にそれぞれ、赤、青、黄のアクセントの入った、愛らしい意匠をしている。
「これ・・・は?」
「それは『リンクルン』。プリキュアに必要なものです、それを使って変身するのです。あなたたちなら出来るはずです」
戸惑いながらも、リンクルンを手にした女生徒たちの心には、なぜか浮かんでくる言葉があった。
「さあ時間がありません。ナキサケーベは直に動き出します」
白い女性が急かす。
3人は顔を見合わせ頷き合う。今は、迷っていられない。
「わかった。とにかくやってみる」
「ええ、やってみよう」
「信じるわ」
3人は、リンクルンを掲げ、心に浮かんだきた言葉を叫んだ。
「チェインジ・プリキュア・ビートアップ!!」
彼女たちはそれぞれ3色のまばゆい光に包まれていく。光は愛らしい衣装に姿を変え、彼女たちを飾っていく。同時に髪型もボリュームアップし、愛らしいハート型の髪飾りが装着される。胸には四つ葉型のアクセサリーだ。
白地に、それぞれ青、黄色、赤のコスチュームを身につけた姿で、彼女たちはポーズを取った。
「ブルーのハートは希望のしるし! つみたてフレッシュ、キュアベリー!」
「イエローハートは祈りのしるし! とれたてフレッシュ、キュアパイン!」
「真っ赤なハートは幸せのしるし! 熟れたてフレッシュ、キュアパッション!」
「レッツ、プリキュア!」
だが名乗ったもの、3人はまだ実感が沸かないようで戸惑っている。そのとき、ナキサケーベが起き上がり、再び攻撃を仕掛けてきた。うめき声と同時に巨大な腕でパンチを放つ。
「ナケサケーベ!」
「危ないっ!」
次の瞬間、3人のプリキュアは空高くジャンプして攻撃をかわしていた。
「えっ!」
「すごいっ!」
自分たちの敏捷性と瞬発力に驚くプリキュアたち。
キュアベリーが呟く。
「ということは、攻撃力もアップしているのかしら?」
ジャンプした姿勢から、そのままナキサケーベに向かってキックを放つ。
「てやーっ!」
その一撃に、ぐにゃっとナキサケーベのボディが歪み、激しい音と共に再び地面に背を付けた。
「やっぱり、すごいっ!」
「これなら、怪物を退治できるかもっ!」
歓喜に沸くプリキュアたち。ナキサケーベより彼女たちの力が勝っているようだ。連携してナキサケーベを攻撃し、フィニッシュにキュアパインが技を唱えた。
「プリキュア・ヒーリングプレアー!」
黄色い光に包まれたナキサケーベは、浄化され消えていった。
「これが、プリキュアの力・・・」
顔を見合わせ自分たちの力に驚く3人。その前にリンクルンを授けた白い女性が再び現れた。
「お見事です。あなたたちにリンクルンを授けてよかった。私の目に狂いはありませんでした」
微笑を浮かべる白い女性。
「これからも戦ってくれますか?」
3人を代表するようにパインが答える
「・・・なぜだか分からないけど、でも、自分たちに出来るのなら・・・学校を、この街を、みんなを守るために」
ベリーとパッションも頷く。
ところが、白い女性は首をかしげた。
「そうですか。みんなを守るために戦うというのですか? でも、ご覧なさい。あなたたちのお友達は、戦おうともせず逃げているのですよ。動物を逃がそうと行動したのもあなたたちだけです」
視線を裏山にむける白い女性。そこには避難した生徒たちがいる。
「えっ! でも・・・」
「それは仕方がないわ・・・」
しかし女性は、厳しく言葉を続ける。微笑は消え、鋭い眼差しとなっていた。
「あなたたちは伝説の力を得た。それは、もっと有効につかうべきです」
「ど、どういうことですか?」
「あなたたちのような力を持った人が、きちんと管理した社会。ただ逃げるだけでは無く秩序を持った世界・・・それこそがプリキュアが造る世界です」
「えっ?」
言い放つ白い女性に対し、違和感を感じるプリキュアたち。
「・・・なにか、おかしいわ・・・」
ベリーが呟く。リンクルンを与えてくれたメシアのような存在の白い女性。ところが、プリキュアの力を、弱きを守る慈悲のためではなく、管理するために使えと言う。
訝しがるプリキュアたちに対し、白い女性が唇を吊り上げて笑みを浮かべる。それは穏やかな微笑ではなく、むしろ歪んだ笑みだ。
「うふふ、言葉では無く説明してあげましょう、自分のリンクルンを取り出してご覧なさい」
疑問に感じながらも、3人のプリキュアは腰のポシェットからリンクルンを取り出し、掌に載せた。
「さあ、リンクルンがあなたたちの進む道を教えてくれます」
「え?」
すると掌上のリンクルンの白い外装全体に無数の細かいヒビが入り、避けた隙間から黒い輝きが滲み出した。
「えっ?」
次の瞬間、パリン!という音と共に、外装が粉々に吹き飛んだ。だが、その中には漆黒に輝くリンクルンがあった。どうやら外装が二重構造になっていたらしい。
「こ、この黒いリンクルンは?」
問う間もなく、次の瞬間、リンクルンから黒い光が四方に発せられ、その光の闇に3人のプリキュアは包まれた。
「きゃーーっ!」
「なに、これっ!」
その様子に、白い女性がニヤリと厭らしい笑みをこぼした。
「あはははっ! さあ、プリキュアの戦士たち、変わりなさいっ!」
その声には毒を含み、もはや女神のような雰囲気は消えている。
3人のプリキュアを包む闇は、彼女たちのコスチュームを汚染し、その色を、形を変えていく。
「い、いやっ!・・・なんなのこれっ!」
「変なものが体に入ってくるっ!」
闇の浸食に、頭を抱え耐えるプリキュアたち。そして、その脳裏に白い女性の妖しい声色が響いてきた。
「・・・我が名はノーザ。ラビリンス総統メビウス様がしもべ・・・」
どうやらリンクルン本体のスピーカーから声は出ているようだ。だが、その声は単なる音では無く、脳裏に抉り込むように入ってくる浸透力を持っていた。
「・・・プリキュアは我が配下となりラビリンスに尽くすのだ・・・」
「・・・ラビリンスこそ全ての世界に秩序をもたらす・・・」
「・・・プリキュアはラビリンスのために存在するのだ・・・」
妖しい命令が体に染みこんでいく。直接脳裏を叩き、全てを上書きするかのような声に、プリキュアたちは抵抗する術を知らない。
「いやよ、変なことは言わないで!・・・」
「あたしを変えないでっ!」
「お願い、やめて・・・」
苦悶する3人。ラビリンスに尽くすという新しい価値観が、強制的に刷り込まれていく。そして、彼女たちの意識に変化が起こり始めた。
「・・・でも、あたしたちだけ戦うのって変よ・・・」
「・・・プリキュアの力で支配して、正しく導かないと・・・」
「・・・そのためにはラビリンスに・・・」
意識の上書きは苦痛だけをもたらすものではない。ラビリンスの一員として「支配する」側となることは、ゾクゾクするような歪んだ優越感と認識させられ、その快感が書き換えをいっそう促進させていくのだ。
全ての闇が体に溶け込み終わると、3人のプリキュアは再び姿を見せたが、その様子は一変していた。白地にカラフルな愛らしいコスチュームは、漆黒に染まった妖艶なボンデージ状へと姿を変えている。太腿はガーター付きの網ストッキングで飾られ、鋭いピンヒールブーツとの組み合わせは、大胆で淫靡な魅力を醸し出している。ハート型のファニーな飾りは、全て鋭いダイヤ状のクリスタルへと変化した。表情も一変し、濃いめのアイシャドーで彩られた瞳には燐光のような妖しい輝きを灯し、挑発的で小悪魔な雰囲気を纏っていた。
「うふふ、いいわねえ、その姿。あたしも元に戻ろうかしら」
白い女性は目を細め、楽しそうに口ずさむと、腕を捻りながら大きく拡げて叫んだ
「スイッチ・オーバー!」
女性は青緑色のロングヘアーに黒いロングドレス姿へと変わった。リンクルンを授けた女神のような女性の正体は、ラビリンスの女幹部ノーザだったのだ。
ノーザの姿を目にした3人の黒いプリキュアは、恭しく跪く。ノーザをはじめラビリンスのことは、すでに脳裏にインプットされている。
「感心、感心。あたしのことはもう分かるのね?」
「もちろんです、ノーザ様」
3人が声を揃える。
「ふふふ、それじゃ説明が早いわね。どう? ラビリンスのプリキュアとなった感想は?」
プリキュアたちが順番に答える。
「はい、とても素晴らしい気分です」
「力が漲ってますわ。プリキュアの力はラビリンスのためにあるのですね」
「この世界をラビリンスのものとするために早く力を発揮したいですわ」
3人の答えに満足するノーザ。
「いい娘たちね。あなたたちはノーザプリキュア。ノーザキュアベリー、ノーザキュアパイン、そしてノーザキュアパッション。ラビリンスに選ばれし、伝説を超えたプリキュアよ」
その言葉に、さらに頭を下げる3人のノーザプリキュア。
「ノーザ様のお名前を頂き光栄です。これからラビリンスとノーザ様に忠誠を尽くします」
「あはははっ! 」
ノーザは両手を腰に充て、高らかに哄笑した。
(うふふ、パインちゃんの力で黒く変えたリンクルン、役に立つわね)
ダークパインの胸精液で犯され、漆黒に変化したリンクルン。ベリー、パイン、パッションの3つのダークリンクルンを、ノーザは別のパラレルワールドに持ってきた。
そして、プリキュアに相応しい該当者を探し出し、本来のプリキュアとして覚醒させ、まずはその力を認識させた。その上で、ダークリンクルンの機能でラビリンスの価値観を刷り込み、ラビリンスのために尽くすプリキュアへと変えさせてしまったのだ。
ノーザは懐から緑色の種子を3つ取り出した。
「これはソレワターセの種。さっき倒したナキサケーベより遙かに強力よ。これをあなたたちに授ける。これを使って街で暴れてきなさい。まずはラビリンスの力を示すのよ」
「はっ」
声を重ねたノーザプリキュアたちは、邪な笑みを漏らす。自分たちの力で世界を支配する。ラビリンスの価値観に支配された彼女たちは、嬉々としてその命令を実行しようとするのだった。
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<エピローグ 2>
「ナキサケーベ!!」
街郊外の学校の校庭に、突如として現れた巨大な怪物。巨木に手脚を付けたような異形の姿で、暴虐の限りを尽くし校舎を破壊してゆく。
「私たちの学校が!」
「どうして・・・こんなことに・・・」
生徒や教師たちは裏山になんとか逃げたが、そこで不安そうに様子を見つめるばかりだ。
「いけない! 動物小屋の鍵が閉まったままだわ!」
一人の女子生徒が叫ぶのと同時に飛び出した。飼育係の彼女は、動物たちを逃がそうと校舎裏の飼育小屋を目指す。
「あっ、危ないわよっ!」
「戻れっ!」
周りの級友や教師の声にも耳を貸さず一心不乱に進む女生徒。
「もうっ! 一人じゃ危ないわよっ!」
「いつもこうなんだからっ!」
別の女子生徒が2人、前を行く女生徒の後を追った。3人は親友同士だ。危険だが親友を放ってはおけない。
合流した3人は、怪物に気付かれないよう敷地境界の塀の陰から校舎の裏に向かう。しかし、その動きは察知されてしまい、校舎の上から樹木状の手が伸びてきた。
「ナキサケーベッ!」
「あぶないっ!」
間一髪で、一撃を避ける3人だが、その結果、塀と校舎の間の袋小路に閉じ込められる格好となった。目を不気味に紅く輝かせながら、怪物がじりじりと迫ってくる
「ナキサケーベッ!!」
「ど、どうしよう!?」
「どこか逃げ道は無いのっ!?」
青ざめる3人。そのとき、突然、怪物が後ろに倒れ、どーんと大きな地響きが聞こえた。
「えっ!」
怪物は動けないらしい。立ち上がる砂埃の向こう側から、人影が近づいてくのが分かる。
「だ、誰っ!」
警戒する3人の前に現れたのは、白い薄手の衣に身を包んだ長身の女性だった。衣の素材なのか、全身が輝いているように見える。ロングヘアーのエキゾチックな顔立ちに優しい微笑を浮かべている。
「女神様みたい・・」
女生徒の一人には、そのように映ったらしい。たしかに神々しい雰囲気を醸し出している。
「あなたたちのような、勇気あふれる少女を探していました・・」
白い女性が口を開く。
「えっ?」
「あの怪物『ナキサケーベ』に立ち向かえるのは、伝説の戦士プリキュアだけ・・・」
「え? プリ・・キュア?」
「そう、プリキュアです」
顔を見合わせる3人の女子生徒。
「あなたたちにこれを授けます」
白い女性が両手を胸の前で合わせると、掌が輝き出し、赤、青、黄の3色の光が、それぞれの女生徒の手に向かって放たれた。
「え! なにっ!」
光が消えると、女生徒たちの掌に携帯電話のような機器が握られていた。白地にそれぞれ、赤、青、黄のアクセントの入った、愛らしい意匠をしている。
「これ・・・は?」
「それは『リンクルン』。プリキュアに必要なものです、それを使って変身するのです。あなたたちなら出来るはずです」
戸惑いながらも、リンクルンを手にした女生徒たちの心には、なぜか浮かんでくる言葉があった。
「さあ時間がありません。ナキサケーベは直に動き出します」
白い女性が急かす。
3人は顔を見合わせ頷き合う。今は、迷っていられない。
「わかった。とにかくやってみる」
「ええ、やってみよう」
「信じるわ」
3人は、リンクルンを掲げ、心に浮かんだきた言葉を叫んだ。
「チェインジ・プリキュア・ビートアップ!!」
彼女たちはそれぞれ3色のまばゆい光に包まれていく。光は愛らしい衣装に姿を変え、彼女たちを飾っていく。同時に髪型もボリュームアップし、愛らしいハート型の髪飾りが装着される。胸には四つ葉型のアクセサリーだ。
白地に、それぞれ青、黄色、赤のコスチュームを身につけた姿で、彼女たちはポーズを取った。
「ブルーのハートは希望のしるし! つみたてフレッシュ、キュアベリー!」
「イエローハートは祈りのしるし! とれたてフレッシュ、キュアパイン!」
「真っ赤なハートは幸せのしるし! 熟れたてフレッシュ、キュアパッション!」
「レッツ、プリキュア!」
だが名乗ったもの、3人はまだ実感が沸かないようで戸惑っている。そのとき、ナキサケーベが起き上がり、再び攻撃を仕掛けてきた。うめき声と同時に巨大な腕でパンチを放つ。
「ナケサケーベ!」
「危ないっ!」
次の瞬間、3人のプリキュアは空高くジャンプして攻撃をかわしていた。
「えっ!」
「すごいっ!」
自分たちの敏捷性と瞬発力に驚くプリキュアたち。
キュアベリーが呟く。
「ということは、攻撃力もアップしているのかしら?」
ジャンプした姿勢から、そのままナキサケーベに向かってキックを放つ。
「てやーっ!」
その一撃に、ぐにゃっとナキサケーベのボディが歪み、激しい音と共に再び地面に背を付けた。
「やっぱり、すごいっ!」
「これなら、怪物を退治できるかもっ!」
歓喜に沸くプリキュアたち。ナキサケーベより彼女たちの力が勝っているようだ。連携してナキサケーベを攻撃し、フィニッシュにキュアパインが技を唱えた。
「プリキュア・ヒーリングプレアー!」
黄色い光に包まれたナキサケーベは、浄化され消えていった。
「これが、プリキュアの力・・・」
顔を見合わせ自分たちの力に驚く3人。その前にリンクルンを授けた白い女性が再び現れた。
「お見事です。あなたたちにリンクルンを授けてよかった。私の目に狂いはありませんでした」
微笑を浮かべる白い女性。
「これからも戦ってくれますか?」
3人を代表するようにパインが答える
「・・・なぜだか分からないけど、でも、自分たちに出来るのなら・・・学校を、この街を、みんなを守るために」
ベリーとパッションも頷く。
ところが、白い女性は首をかしげた。
「そうですか。みんなを守るために戦うというのですか? でも、ご覧なさい。あなたたちのお友達は、戦おうともせず逃げているのですよ。動物を逃がそうと行動したのもあなたたちだけです」
視線を裏山にむける白い女性。そこには避難した生徒たちがいる。
「えっ! でも・・・」
「それは仕方がないわ・・・」
しかし女性は、厳しく言葉を続ける。微笑は消え、鋭い眼差しとなっていた。
「あなたたちは伝説の力を得た。それは、もっと有効につかうべきです」
「ど、どういうことですか?」
「あなたたちのような力を持った人が、きちんと管理した社会。ただ逃げるだけでは無く秩序を持った世界・・・それこそがプリキュアが造る世界です」
「えっ?」
言い放つ白い女性に対し、違和感を感じるプリキュアたち。
「・・・なにか、おかしいわ・・・」
ベリーが呟く。リンクルンを与えてくれたメシアのような存在の白い女性。ところが、プリキュアの力を、弱きを守る慈悲のためではなく、管理するために使えと言う。
訝しがるプリキュアたちに対し、白い女性が唇を吊り上げて笑みを浮かべる。それは穏やかな微笑ではなく、むしろ歪んだ笑みだ。
「うふふ、言葉では無く説明してあげましょう、自分のリンクルンを取り出してご覧なさい」
疑問に感じながらも、3人のプリキュアは腰のポシェットからリンクルンを取り出し、掌に載せた。
「さあ、リンクルンがあなたたちの進む道を教えてくれます」
「え?」
すると掌上のリンクルンの白い外装全体に無数の細かいヒビが入り、避けた隙間から黒い輝きが滲み出した。
「えっ?」
次の瞬間、パリン!という音と共に、外装が粉々に吹き飛んだ。だが、その中には漆黒に輝くリンクルンがあった。どうやら外装が二重構造になっていたらしい。
「こ、この黒いリンクルンは?」
問う間もなく、次の瞬間、リンクルンから黒い光が四方に発せられ、その光の闇に3人のプリキュアは包まれた。
「きゃーーっ!」
「なに、これっ!」
その様子に、白い女性がニヤリと厭らしい笑みをこぼした。
「あはははっ! さあ、プリキュアの戦士たち、変わりなさいっ!」
その声には毒を含み、もはや女神のような雰囲気は消えている。
3人のプリキュアを包む闇は、彼女たちのコスチュームを汚染し、その色を、形を変えていく。
「い、いやっ!・・・なんなのこれっ!」
「変なものが体に入ってくるっ!」
闇の浸食に、頭を抱え耐えるプリキュアたち。そして、その脳裏に白い女性の妖しい声色が響いてきた。
「・・・我が名はノーザ。ラビリンス総統メビウス様がしもべ・・・」
どうやらリンクルン本体のスピーカーから声は出ているようだ。だが、その声は単なる音では無く、脳裏に抉り込むように入ってくる浸透力を持っていた。
「・・・プリキュアは我が配下となりラビリンスに尽くすのだ・・・」
「・・・ラビリンスこそ全ての世界に秩序をもたらす・・・」
「・・・プリキュアはラビリンスのために存在するのだ・・・」
妖しい命令が体に染みこんでいく。直接脳裏を叩き、全てを上書きするかのような声に、プリキュアたちは抵抗する術を知らない。
「いやよ、変なことは言わないで!・・・」
「あたしを変えないでっ!」
「お願い、やめて・・・」
苦悶する3人。ラビリンスに尽くすという新しい価値観が、強制的に刷り込まれていく。そして、彼女たちの意識に変化が起こり始めた。
「・・・でも、あたしたちだけ戦うのって変よ・・・」
「・・・プリキュアの力で支配して、正しく導かないと・・・」
「・・・そのためにはラビリンスに・・・」
意識の上書きは苦痛だけをもたらすものではない。ラビリンスの一員として「支配する」側となることは、ゾクゾクするような歪んだ優越感と認識させられ、その快感が書き換えをいっそう促進させていくのだ。
全ての闇が体に溶け込み終わると、3人のプリキュアは再び姿を見せたが、その様子は一変していた。白地にカラフルな愛らしいコスチュームは、漆黒に染まった妖艶なボンデージ状へと姿を変えている。太腿はガーター付きの網ストッキングで飾られ、鋭いピンヒールブーツとの組み合わせは、大胆で淫靡な魅力を醸し出している。ハート型のファニーな飾りは、全て鋭いダイヤ状のクリスタルへと変化した。表情も一変し、濃いめのアイシャドーで彩られた瞳には燐光のような妖しい輝きを灯し、挑発的で小悪魔な雰囲気を纏っていた。
「うふふ、いいわねえ、その姿。あたしも元に戻ろうかしら」
白い女性は目を細め、楽しそうに口ずさむと、腕を捻りながら大きく拡げて叫んだ
「スイッチ・オーバー!」
女性は青緑色のロングヘアーに黒いロングドレス姿へと変わった。リンクルンを授けた女神のような女性の正体は、ラビリンスの女幹部ノーザだったのだ。
ノーザの姿を目にした3人の黒いプリキュアは、恭しく跪く。ノーザをはじめラビリンスのことは、すでに脳裏にインプットされている。
「感心、感心。あたしのことはもう分かるのね?」
「もちろんです、ノーザ様」
3人が声を揃える。
「ふふふ、それじゃ説明が早いわね。どう? ラビリンスのプリキュアとなった感想は?」
プリキュアたちが順番に答える。
「はい、とても素晴らしい気分です」
「力が漲ってますわ。プリキュアの力はラビリンスのためにあるのですね」
「この世界をラビリンスのものとするために早く力を発揮したいですわ」
3人の答えに満足するノーザ。
「いい娘たちね。あなたたちはノーザプリキュア。ノーザキュアベリー、ノーザキュアパイン、そしてノーザキュアパッション。ラビリンスに選ばれし、伝説を超えたプリキュアよ」
その言葉に、さらに頭を下げる3人のノーザプリキュア。
「ノーザ様のお名前を頂き光栄です。これからラビリンスとノーザ様に忠誠を尽くします」
「あはははっ! 」
ノーザは両手を腰に充て、高らかに哄笑した。
(うふふ、パインちゃんの力で黒く変えたリンクルン、役に立つわね)
ダークパインの胸精液で犯され、漆黒に変化したリンクルン。ベリー、パイン、パッションの3つのダークリンクルンを、ノーザは別のパラレルワールドに持ってきた。
そして、プリキュアに相応しい該当者を探し出し、本来のプリキュアとして覚醒させ、まずはその力を認識させた。その上で、ダークリンクルンの機能でラビリンスの価値観を刷り込み、ラビリンスのために尽くすプリキュアへと変えさせてしまったのだ。
ノーザは懐から緑色の種子を3つ取り出した。
「これはソレワターセの種。さっき倒したナキサケーベより遙かに強力よ。これをあなたたちに授ける。これを使って街で暴れてきなさい。まずはラビリンスの力を示すのよ」
「はっ」
声を重ねたノーザプリキュアたちは、邪な笑みを漏らす。自分たちの力で世界を支配する。ラビリンスの価値観に支配された彼女たちは、嬉々としてその命令を実行しようとするのだった。
tag : 妄想ストーリー
comment
No title
対魔忍ムラサキの雰囲気すごい。
ビアン要素とビアン洗脳そして女性同士とかも見ごたえありそう。
はぁ・・・。
でも、出てる女優さん好きな子居るので是非すばらしい作品だと期待したいところです。
Kiryuさんの妄想ストーリ面白いです。
是非、ビアン洗脳、洗脳装置、催眠とそう言う作品も見たいです。
創造力豊かで羨ましいです。
ビアン要素とビアン洗脳そして女性同士とかも見ごたえありそう。
はぁ・・・。
でも、出てる女優さん好きな子居るので是非すばらしい作品だと期待したいところです。
Kiryuさんの妄想ストーリ面白いです。
是非、ビアン洗脳、洗脳装置、催眠とそう言う作品も見たいです。
創造力豊かで羨ましいです。
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
No title
yukinasaさん
遅い返信で恐縮です。ムラサキはまだ見ていませんが、是非とも楽しもうと思っています。また、妄想ストーリー面白いということで、ありがとうございます。妄想をつらつらと繋げているだけですが、楽しんで頂ければうれしいです。
遅い返信で恐縮です。ムラサキはまだ見ていませんが、是非とも楽しもうと思っています。また、妄想ストーリー面白いということで、ありがとうございます。妄想をつらつらと繋げているだけですが、楽しんで頂ければうれしいです。