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サーベラーの奸計 その1

こんばんは。エヴァの新作「Q」が公開されて大人気のようです。見に行きたいのですが、なかなか映画館に行く時間がとれません。年末までには是非行きたいなあと思うこの頃です。
アニメのリメイクといえば、宇宙戦艦ヤマトの第1作のリメイク版「ヤマト2199」も制作されていますね。全26話をリメイクするという壮大な作品、レンタルで第6話分まで借りて見てみました。キャラクターデザインは今風ですがいい感じですね。ただ物語は全体的に、なんか軽い感じがします。でも、まだ序盤。今後は深いドラマが展開されるのでしょう。期待しています。

ところでオリジナルのヤマトは女性キャラが少ない作品ですが、映画の2作目や3作目には敵側にも女性キャラが登場します。第2作「さらば・・・」に登場するのはサーベラー総参謀長。白い髪にスレンダーな肢体、魔女的な雰囲気を持つ魅惑のキャラクターです。残念ながら映画ではあまり活躍しなかったサーベラーさんですが、彼女が悪魔のような暗躍をしたら、というテーマで妄想話を書いてみました。彼女のターゲットとなるのは、ヤマトのヒロイン森雪です。「さらば・・・」のストーリーを知らない方には楽しめないかもしれませんがご容赦ください。

 
    sav02.jpg
  サーベラー総参謀長 (これはゲーム版の姿で、コスチュームの露出度がアップしています)






プロローグ
 謎のメッセージを傍受した古代たちはヤマトで発信源のテレザート星に向かい、宇宙の侵略者、彗星帝国の存在を知る。地球へ急ぐヤマトだが、彗星帝国に身を寄せていた旧敵デスラーの急襲を受けてしまう。因縁の死闘はデスラー艦内部での白兵戦となり、デスラーと古代は銃を構えて対峙。森ユキもこの場に遭遇したが、デスラーを監視していた彗星帝国監視艦隊司令ミルの銃弾を受け瀕死の重傷を負ってしまう。ミルはデスラーの銃弾で倒れ、デスラーもまた献身的なユキの姿を見て敗北を悟り、宇宙に身を投げた(ここまでは映像通り)。
 古代はユキを連れヤマトへ戻ろうとするが、死んだと思われていたミルが、配下の部下と共に強襲。なんとか退けるものの、その争乱のさなかにユキは行方不明となってしまった・・・


1.囚われのユキ
 彗星帝国ガトランティスは、白色彗星中心の核に”都市帝国”として存在する。その内部の司令室は、あたかも宮殿のように装飾された広大な空間である。最上位には大帝ズォーダーの玉座が鎮座し、その前には深紅の絨毯がひかれて両側には幹部が整列している。ズォーダーが部下達に指令を出しているとき、白い軍服の将校が報告に現れた。
「監視艦隊司令ミル、ただいま帰還しました。デスラーは死に、ヤマトを止めることは出来ませんでした。」
「ご苦労」
ズォーダーの横から、総参謀長サーベラーが答えた。スレンダーな肢体をタイトな白い軍服に身を包んだ絶世の美女であるが、つり上がった目と薄い唇が冷酷な雰囲気を醸し出している。彗星帝国の実質的なNo.2であり、ズオーダー大帝の愛人とも言われている。
「それで、その女は?」
ミルの横にはカート状の救護カプセルが部下の手によって運ばれていた。全面をガラスで覆われたカプセルの中には、全裸で眠っている女性の姿があった。二十歳前後だろうか?若さに溢れた美しい姿だが、怪我をしているのか身体の各部には治療ユニットが接続されている。
「はっ、ヤマトの乗員で幹部クラスの女のようです。名前はユキ。重傷ですが情報が入手できるかと考え、治療を施し連れて参りました」
それは森ユキであった。ミルによって拘束され都市帝国に連れてこられたのだった。
「ほほぅ」
目を細め、ユキの肢体を眺めるサーベラー。妖しい光が瞳に浮かぶと、サーベラーは振り返った。
「大帝、この女の処理、私にお任せ願えないでしょうか?」
「どうするつもりだ、サーベラー?」
ズォーダーが冷静に口を開く。
「地球攻略へ使わせてもらいます」
「ふむ・・・」
しばし考えるズオーダー。圧倒的な武力を持って星々を制圧することが、宇宙の覇者を自認するズォーダーの矜持であった。サーベラーの小細工など不要であるのだが、いちいち反を唱えるほどでない。
「よかろう、おまえの好きにするがよい」
「ありがたき幸せ」
サーベラーは満足そうに狡猾な笑みを浮かべる。
「ミル、その女を特別医療センターに運びなさい」
「はっ、サーベラー様」
森ユキは意識を失ったまま、過酷な運命に巻き込まれていくのであった。


2.ユキの運命
 特別医療センターに運ばれたユキは、カプセルから出され、医療用のベッドに移された。外気を感じたためか、ユキの体がぴくりと動く。
「・・・う、うん?」
ユキは意識をとりもどした。
(ここはどこ?)
長く眠っていたようだ。目の焦点が合わず、周りの風景はぼやけたままだ。少しづつ目が慣れてくると、ここは室内らしいことが分かってくる。上から覗き込むような人影が認識できた。白地に赤のラインが入った服らしい。
「・・古代くんっ・・・」
白地に赤はヤマトの戦闘班の制服だ。古代に助けられヤマトに戻ったのだ。そう認識した瞬間だった。
「ほお、誰かと勘違いしているのかしら?」
甲高い女性の声が響く。
状況に戸惑うユキ。だが、視界がはっきりとしてくると自分は人違いをしていたことに気がついた。そこにいたのは、白地に赤のラインが入った服を纏っているが、見知らぬ女性だった。
一気にユキの意識が覚醒する。がばっと上半身を起こすと、全裸であることに気づき、傍らのシーツで身を隠す。
「あ、あなたはだれっ?」
おびえながらユキは尋ねる。
「ふふっ、自動翻訳機の調子もいいようね。私はガトランティス総参謀長サーベラー。彗星帝国へようこそ。」
「・・・彗星帝国・・・、もしかしてここは・・・・」
「その通りよ、おまえの敵の本拠地」
ニヤリと唇をゆがめるサーべラー。ユキは周りを見渡す。医療室のようだと分かるが、部屋の作りや器具、書かれている文字、それらは地球のものとは違う。サーベラーを囲む数人の男たちも、皆、見慣れぬ軍服に身を包んでいた。
「・・・なぜ、私がここに?」
「あらあら、何も覚えていないのかしら?」
あざ笑うようにサーベラーが説明する。
「大怪我を負って、そのまま宇宙の藻くずとなるところを助けてあげたのは私たちよ。きちんと治療してあげたのだから、感謝の言葉の一つも欲しいわね。」
ユキは思い出した。確かにデスラーとの戦いにおいて体を撃たれた。看護師でもあるユキには、それが致命傷であることも分かった。その後、意識を失っていたのだ。しかし、今、自分の体を見てみると、傷跡はほとんど何もなかったかのように完治していた。
「ガトランティスの科学力をもってすれば、あの程度の傷を治すのはたいしたことはないわ」
サーベラーは勝ち誇ったようにしゃべる。
「・・・なぜ、私を助けたのですか・・・?」
ユキは疑問を口にした。冷徹な彗星帝国がなぜ?と彼女が思ったのも無理はない。
「もちろん、おまえに地球とヤマトのことをしゃべってもらおうと思ったからよ。敵の内情を知れば、侵略もたやすいしね」
「!?」
驚くユキ。やはり冷酷な敵に変わりは無かった。
「治療してもらったことには感謝します。しかし、あなたたちに協力するわけがありません!」
敵のペースに巻き込まれないように努めて冷静に話そうとしたが、つい大きな声が出てしまった。
「おお、こわい」
唇に笑みを浮かべながら軽くいなすサーベラー。
「せっかく助けてあげたのに、そんなことを言われるとはね。でも、おまえはもうガトランティスの人間よ」
「・・・どういうこと?」
「治療するときにガトランティス人の細胞組織を利用したけど、定着を完全にするために遺伝子操作も行ったわ。おまえの体の細胞は、再生されるときにガトランティスのDNAが書き加えられていっている。もうすでに、ほとんどガトランティス人の体と言ってもよいわね」
「うそよ! そんなことが出来るわけがない!」
「あらあら、ガトランティスの科学力を馬鹿にして欲しくないわねえ」
たしかに、あれだけの怪我を短時間で完治するのは、地球の科学力では無理だろうとユキも思う。それでも遺伝子に細工をされてしまったなどとは、とても信じられない話だった。
「ふふふ、おまえはガトランティス人として生きれば良いのよ。そうすれば素晴らしい未来が待っているわ」
「何を言うの! 私は地球人。あなた達のような侵略者には決して負けない。私を帰して!」
怒るユキに対し、サーベラーはクスッと笑い、言い放つ。
「それじゃあ仕方がないわねぇ。おまえの心も変えてあげる。私たちに忠誠を誓うようにね」
その言葉が合図だったかのように、ベッドの端から何本ものフレキシブルなアームが現れ、ユキの四肢を固定した。
「いやっ!、なにをするのっ!」
しかし抵抗することも出来ず、強引に両手足首がベッドに備え付けの拘束具に固定されてしまった。すると、部屋の隅にあったカプセル状の装置がベッドの側までスライドしてきた。種々のコードが繋がれ、数多くのメーターやスイッチが備えられている。
「これはガトランティスの誇る洗脳装置。おまえの全てを変えてあげるわ」
「や、やめてっ!」
ユキは叫んだ。生体への急速な遺伝子操作が可能なガトランティスの科学力を考えれば、洗脳など造作もないことかもしれない。ユキは本能的に恐怖を感じた。
「お願い、やめて! こんなことは!」
しかしユキを固定しているベッドは、そのまま洗脳カプセルの内部へスライドしていき、カチリと固定された。ベッドは元々装置の一部だったのだ。サーベラーは初めからこの装置を使う予定だったのだろう。カプセルに封じられたユキ。そしてスライドしてきたヘルメット状のデバイスが、自動的にユキの頭部に装着された。
「いやっ!・・ねえ、やめて!・・・お願い」
ユキが懇願する。
「じゃあ、私たちに従う?」
魔女の様相でサーベラーが問う。
「そ、そんなこと出来ないっ!」
「聞き分けのない子ねぇ。やはりこの装置が必要ね」
周囲の兵士たちによって洗脳の準備が進んでいく。主電源がはいったのか装置が低い唸り声をあげ始めた。
「ふふふ、さあ、始めようかしら」
準備が整ったようだ。
「やめて! 助けて! 古代くんっ」
「古代? さっきも言ってたわね。おまえの恋人かしら?」
クスッと微少を浮かべ、楽しそうなサーベラー。
「それも恥ずかしい思い出に変えてあげる」
悪女の笑みを絶やさずサーベラーが兵に命令する
「はじめなさい」
兵がスイッチを入れる。サーベラーの希望する洗脳プログラムは既に装置に準備されてある。悪魔の装置はオートマチックにユキの心を処理していくのだ。
「や、やめてーっ!・・・・」
ユキの叫び声も虚しく、ガラスキャノピーがしめられていき、その声は外には届かなくなった。ヘルメット状のデバイスが青白く発光する。ついに処理が始まったのだ。体をビクつかせ苦悶の表情を浮かべるユキ。サーベラーはその様子を腕を組んで眺めながら、ほくそ笑む。
「ふふっ、遺伝子操作なんて洗脳を効果的に進めるための嘘よ。せいぜい楽しい夢をご覧なさい」
そう言い残し、サーベラーは、部屋から出て行った。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

カプセルの中で、ユキは必死に耐えていた。全身を弛緩させる妖しい蠕動に、心地よいサウンド。そして脳裏に直接送り込まれてくる奇妙な映像。躰の隅々が、脳の機能の全てがほぐされ緩んでいく。
(・・・だめ、こんなのに負けちゃダメ。この洗脳に耐えれば、脱出するチャンスもある。ヤマトに戻って、彗星帝国を倒して・・・)
(でも私の体は、遺伝子操作されて・・・古代君のもとへは戻れ・・・)
(いや、そんなの嘘よ・・・そんなこと出来るわけがない・・・でも・・・)
逡巡する意識。その隙間を洗脳プログラムの暗示が巧妙についてくる。
(・・・負けちゃだめ・・・(何に負けるというの?)・・・)
(・・・ヤマトに帰るの・・・(もう新しい体になったのよ)・・・)
(・・・帰る場所は・・・(あなたを受け入れるのは)・・・)
(・・・私は・・・)
抵抗が弱くなり、張り詰めていた意識が途切れだした。そして遂に記憶の書き換えが始まった。ユキの脳裏にガトランティス人の思考が埋め込まれていく。それは選ばれた宇宙の民という優越的で独善的なものだ。その一方で、地球人としての記憶は、唾棄すべき蔑んだ思い出へと強制的に改ざんされていくのだった・・・


3.新生ユキ
 洗脳作業は1時間ほど続いただろうか。再び医療室に現れたサーベラーの前で、装置のランプ類が消え、カプセルのガラスキャノピーが開かれていった。頭を覆っていたヘルメット状の装置もスライドし、ユキの全身が露わになった。
「起きなさい」
サーベラーが命じると、ユキがむくりと上半身を起こす。眠っていたように見えたが、既に覚醒していたようだ。
「さあ、気分はどうかしら」
ユキの目が開かれ、サーベラーを見る。
「上々です」
流暢にガトランティスの言語で答えるユキ。その瞳には、本来の慈愛に満ちた光ではなく、魔女のような妖しい燐光が灯っていた。まるでサーベラーのように。
「さあ、自己紹介をしてもらおうかしら」
「はい、私は森ユキ。彗星帝国ガトランティスと全能なるズォーダー大帝に忠誠を誓うものです」
「ほぉ、おまえは地球人ではないのか」
サーベラーが目を細めて問う。
「私はガトランティス人です」
ユキは小悪魔風の微少を浮かべ、当然のように語る。
「確かに地球で生まれ、彗星帝国に弓を引いた愚か者でしたが、それは過去の唾棄すべき記憶。挽回するためにも彗星帝国のために尽くします。」
「ほほほ、よく言った」
サーベラーは口に手を当て、満足の高笑いを浮かべた。ついに森ユキは生まれ変わったのだ。いや、変えられてしまったのだ。


4.ガトランティスのユキ
 都市帝国司令室に、サーベラーがユキを伴って現れた。ユキはサーベラーと同様なタイトなガトランティスの戦闘服に身を包んでいる。ただしサーベラーとは色が異なり、黒地に赤字のラインが入ったものだった。
「大帝、紹介しますわ。ユキです。かつてはヤマトの乗員でしたが、今は彗星帝国に忠誠を誓っています。」
ざわめく周りの側近たち。しかしそんな様子をユキは気にせず、恭しく膝をつき、恭順の意を述べる。
「大帝に拝謁させて頂き、ありがたき幸せ。彗星帝国のためにこの身を尽くします」
ズォーダーはユキの様子を見ながら考える。サーベラーはこのような奸計を考えていたのか。こんなことをせずともと思ったが、サーベラーにまかせたのは自分だ。とりあえずは好きにさせることにした。
サーベラーが問う。
「ユキ、お前ならヤマトをどのように叩く?」
ユキは意見を求められたのが嬉しかったのか、うやうやしく答える。
「はっ、ヤマトはなかなかの戦闘艦です。特に強力な波動砲には注意が必要でしょう」
ここで、ユキは言葉をいったん止める。しかし憎々しげな笑みを浮かべ続けた。
「ですが、ヤマトの弱点は乗組員です。奴らは軟弱な思考に染まった愚か者です。」
「つまり、どういうことかしら?」
「私がここにいることを明らかにすれば、ヤマトは手をだせません」
唇を曲げ、楽しそうに答えるユキ。そこにはヤマトの乗員だった面影は無く、その思考は完全にガトランティスのものとなっていた。
サーベラーは満足げにうなずき、ズォーダーに意見を述べる。
「大帝、ここは、このユキに地球侵略の指揮を任せてみてはいかがでしょう? ヤマト乗組員の驚く顔が楽しめますわ」
周りの参謀達が再びざわめく。この提案はズォーダーの趣味ではなかったが、サーベラの思うままに任せることにした。
「サーベラー、この件はお前にまかせてある、好きにしろ」
「はっ。ではユキ、おまえを地球方面侵略司令官に任命します。愚かな地球人の驚く顔をたっぷりと楽しませてもらいましょう」
「ははっ。ありがたき幸せ」
さも嬉しそうに拝命するユキ。その表情には悪魔の微笑が浮かんでいた。


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 その後、新造戦艦アンドロメダを中心とした地球艦隊は彗星帝国のバルゼー機動部隊に勝利した。しかし白色彗星の前には拡散波動砲も歯が立たず全滅。一方ヤマトは、デスラーから白色彗星の弱点を聞いていた。ワープアウトしたヤマトは、彗星の弱点「渦の中心核」に波動砲を打ち込んだ。白色彗星は爆発して四散。ヤマトの勝利に見えたが、白色彗星の真の中心である都市帝国は無傷であった。その圧倒的存在にとまどうヤマト第一艦橋の面々。だが、本当の衝撃はこれから始まるのだった。
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5.ユキvsヤマト
 都市帝国の存在にとまどうヤマト乗組員。だが艦長代理である古代は、すぐに気を持ち直し、命令を下した。
「主砲、艦首ミサイル発射用意! 目標、敵、都市帝国! コスモタイガー隊は直ちに発進!」
その声に再び機能を取り戻すヤマト。そのとき通信班長の相原が叫んだ。
「敵、都市帝国より通信です! ビデオパネルに切り替えます」
第一艦橋の上部に設置されているパネルにサーベラーの顔が映った。
「私は彗星帝国総参謀長サーべラー。ここまで頑張ったのはあなたたちが初めてです。褒めてあげましょう。」
「サーベラー総参謀長、無意味な侵略はやめろ!」
ひるまずに古代が叫ぶ。
「全能なるズォーダー大帝は宇宙の支配者です。当然地球も大帝のもの。降伏して奴隷の道を選ぶなら戦いをやめてあげましょう」
「地球は我々人類のものだ、おまえたちに侵略はされない。断固として戦う!」
「そうか、では仕方がありません。おまえたちの相手をする司令官を紹介しましょう」
サーベラーが妖しい微笑を浮かべ、パチリと指をならす。側に仕えていた幹部の一人が前に歩を進めたところをカメラが映す。女性のようだ。スレンダーな体に、サーベラーと同様なコスチュームをまとっている。色は黒をベースとしたものだ。だが、照明が彼女の顔を照らしたとき、ヤマトの第一艦橋は驚きの声を上げた。
「ユキ!ユキじゃないのか!」「生きていたのか、よく無事で」
だが、当のユキは、表情を変えず、事務的につぶやいた。
「私は彗星帝国ガトランティス地球方面侵略司令官、森ユキ。全能なるズォーダー大帝に逆らう愚か者ども、降伏か死かを選びなさい」
その台詞に凍り付く第一艦橋。
「なにを言っている!?」「どうしたんだ、ユキ!」
その混乱した様子を見て、ユキはさも可笑しいといったようにつぶやく。
「なにを慌てているのかしらね」
そして、目線を下げ、第1艦橋前方席の古代に眼差しを向けた。だが、その瞳は、もはや愛しい恋人のものではなく、毒々しく邪悪にそまっている。そして辛辣な言葉が歪んだ唇から発せられた。
「ひさしぶりね古代くん。元気そうね。でも、もうすぐ永遠にさようならかしら、あはははっ」
高笑いをする雪。その姿は、ユキがもはや古代たちの知っているユキではないことを示していた。為す術なく戸惑うヤマト。そこに都市帝国の集中砲火が浴びせられた・・・・・



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一応、ここで区切りですが、続きも考えてあります。なるべく早く書いてアップしたいと思います。

tag : 妄想ストーリー

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Secre

 今回の一連の作品は昭和アニメならではの魅力を十二分に引き出していますね。 数々の禍々しいギミックが目に浮かぶようです。加えてサーベラーの遺伝子操作と言うブラフも優秀な雪には効果的だと思いました。それだけに雪の抵抗と陥落との対比が一層際立っていますね。 アニメや漫画でもこれだけ説得力のある下りはないでしょう。

 昭和や平成初期の作品は今回の雪そして南原ちずるや003に神代まいと良作揃いです。可憐で愛らしい平成ヒロインとはまた違った強さ、瑞々しさ、艶かしさと言った物があるからかも知れません。私的には当時のアニメで、ミンキーモモ・ぴえろ魔法少女シリーズ・999・トライダーG7・ゴーショーグン・マチコ先生・うる星やつらが見てみたかったです。kiryuさんは他にどんな作品に操りがあれば良かったでしょうか。 

No title

美羅さん

コメントありがとうございます。妄想をつらつらと書いてしまったのですが、お褒めいただき恐縮です。やはり冷酷な美女には、妖しい奸計が似合うかなあと。

操りがあればよかった昔の作品は、森雪は別格ですが、どちらかというと実写もの(防衛軍の女性隊員)の方が関心が深くて、アニメでは、セーラームーンあたり(これは平成?)になっちゃいますね。あ、聖闘士星矢の沙織さんは操られて欲しい人です。
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Kiryu

Author:Kiryu

「美女が妖しく変貌する」、というテーマのもと、AVやドラマなどの映像作品について気ままに書いています。主に扱っている内容は、催眠、洗脳、悪堕ち、ふたなり、触手などです。関連して、改造した市販フィギュアや、製作したガレージキットも紹介しています。ときどき妄想ショートストーリーや、最近はイラストもアップしています。 (メールm_kiryu@live.jp)

(アダルトな内容を扱っているので18歳以下の閲覧を禁じます)

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