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マリオネット百合亜 (前編)

こんばんは。ちょっと前から、地上波放送で「宇宙戦艦ヤマト2199」が始まりましたね。当たり前ですが、以前にDVDで見たものより映像が格段に綺麗です。それにしても森雪は、リニューアルされたキャラデザインが本当に良いです。以前に洗脳ストーリーを書いておいてなんですが、是非とも優雅に活躍して欲しいものです。

   yuki003.jpg
   番宣に使われている森雪の姿。
   この絵だと少しつり目っぽいのもなかなか印象的。


 さて今回は、2199の新キャラ、岬百合亜嬢が主役のストーリーを書いてみました。以前にちょこっと妄想したのものをストーリーにしたものです。とりあえずさわりの前編です(後編は、まだ作成途中です)。銀河系を抜けてマゼラン星雲に向かうヤマト、その途中でのお話しという設定にしました。なお「バラノドン」という言葉が出てききますが、これは最初のシリーズの第17話 「突撃!!バラノドン特攻隊」に出てくるバラン星の現住生物です。太陽系方面軍のゲール副指令が、バラノドンをコントロールして巨大な姿に合体させ、ヤマトを攻撃するというエピソードでした。この設定を勝手に膨らませ、2199の舞台と合わせて妖しげなストーリーにしてみました。




<1>
 イスカンダルへの航海を急ぐヤマト。銀河を離れた外宇宙にも関わらず、その航路上に惑星を発見した。どうやら星内部の熱量が大きく、また地表が一部発光しているため、水が液体で存在するばかりか植物も繁殖しているようだ。ヤマトは偵察機を発進させることにした。鉱物資源や植物資源の確保が出来れば航海には願ってもない。100式空間偵察機には、主計科、技術科から各1名、そして船務科からは岬百合亜が搭乗。護衛のコスモファルコン1機と共に惑星探査に向かうことになった。

「重力0.86G、温度摂氏33℃、大気組成、酸素18%、窒素78%・・・」
「ヘルメットなしで過ごせそうですね」
「植物は、地球でいえばシダ植物に相当するようです」
「しかし電波障害がすごい。人工的なものではないな。惑星を構成する鉱物から発生しているようだ」
「ヤマトへの通信はしばらくは無理そうですね」
探査を進める調査隊。だが、そのときだった。
「レーダーに感! 正面から熱源体!」
100式の右に随行しているコスモファルコンが火に包まれたかと思うと、次の瞬間、激しい衝撃が100式を襲った。なにかがコクピット前方に命中したのだ。制御を失った100式はふらふらと地上に落ちていった。

<2>
 この惑星はガミラスの移動補給衛星であった。地表の各所には防空基地が設備されている。惑星地下の司令基地には、銀河方面軍司令官のグレムト・ゲールが補給に立ち寄っていた。彼にとってヤマトの出現は、まさに渡りに船であった。

ヤマト艦載機撃墜の報告を受けたゲールは、地下基地の分析室に入った。
「これがテロン人か? 女か?」
ベッドには若き地球人女性が拘束されていた。岬百合亜である。彼女は無事だったが、気を失ったままガミラスにの基地に運ばれていたのである。
「はい、コクピット前面に小型砲弾が当たったので、2名は死亡していたのですが、3列目に座っていたこの女だけは、外傷もなく無事だったので連れて参りました。」
側近の将兵が答える。
「いかがしましょう、ゲール様?」
「この女の情報はとれたのか?」
「IDカードがありました。名前はユリア・ミサキ、ヤマト船務科の士官候補で、レーダー、医療などを担当しているようです」
「ふむ、それではメカニックに関する情報などは知るまいな・・・」
ゲールは思案する。ヤマトの主砲はガミラスにも存在しない武器だ。あの武器の情報、さらには設計図を手にいれることが出来れば勲章ものの大手柄だ。ヤマトを叩く前に、その入手をゲールは企んでいた。
「・・・よし、この女をヤマトに戻そう」
「爆弾でも埋め込むのですか?」
「やつらも戻ってきた女を調べるくらいはするだろう。爆弾などすぐに見つかってしまうわ。それにヤマトを沈める前にあの武器の情報が欲しい」
「では、洗脳でも?」
「洗脳するには時間が足らぬ、だがな」
そこでゲールはニヤリと笑った。
「この女をワシの操り人形にすることはできる。しかも簡単にな」
「?」
ゲールは振り返り、控えていた技術将校に命じた。
「バラノドン生体ナノマシンは使えるか?」
「はい、すぐに準備できます」
技術将校がカートを押してくる。カート上には小型の機械が備えられ動作ランプが明滅していた。将兵がスイッチの一つを操作すると、中央の半球状のガラスドームが開き、薬瓶のような小型容器がせり上がってきた。
「くくく、これを試すときがくるとはな。しかも女に対してとは願ったりだ。」
ゲールは嬉しそうに技術将校に命じた。
「ナノマシン投与だ」
「はっ」
技術将校は瓶を開け、中のペースト状の物質を注射器のような小型の装置で抜き出した。おそらく注入装置だろう。別の将兵がベッド脇の操作盤のキーを叩く。するとマジックハンドのようなアームがせり出してきて百合亜の口をこじ開ける。百合亜は微かに反応し、指先や眥が動く。だが意識は戻っていない。その様子を確認した技術将校は口腔部上側に注入装置を押し当て、ペーストを押し出した。
「これで数時間もたてば、口腔の粘膜から侵入したナノマシンがこの女の脳に定着するでしょう」
「よし、後が楽しみだな」
ゲールは満足そうにつぶやいた。
「あの、これはいったい・・・」
傍らで眺めていた側近が不思議そうにゲールに問う。
「バラノドン特攻隊を知っているだろう。あのシステムを人間に使うために開発したものだ。まあ、見ていろ」
ゲールは得意げに説明する。
「この女の偵察機は使えるのか?」
「はい、機体の分析は既に完了しています。この女の座っていた3座目は無事ですし、操縦はどの席でも可能です。エンジンや制御系も生きています。」
「よし、では元の場所に女と一緒に戻しておくのだ。じきに目を覚ましたらヤマトに戻るだろう。くくく、これから頼むぞユリア」
ゲールは百合亜を見ながらほくそ笑む。邪な企みも知らぬまま百合亜は静かに眠ったままだ。だが、その初々しい躰の中では悪魔のナノマシンが活動を開始していた。

<3>
「よく無事に戻ったわね、百合亜ちゃん」
「はい、ありがとうございます森船務長。でも一緒に行った人たちが・・・」
「そのことは考えなくていいわ。今は自分が無事だったことに感謝し、あの人たちの分まで任務を全うすることだけを心がけなさい」
「はい・・・」

 岬百合亜は単身、無事にヤマトに帰投した。攻撃を受けたこと、自分だけは助かったらしいことなどを説明した。念のためにX線をはじめとする念入りなボディチェックを受けたが、検査結果に問題はなかった。
 ガミラスの基地が存在することを知ったヤマトは、資源の確保をあきらめ、攻撃隊を編成して各所の防空基地を強襲した。敵基地を破壊して安堵するヤマト。だが地下深くに存在する司令基地や宇宙船ドックには全く影響は無かった。ゲールは一個ガミラス艦隊を率い、隠密裏にヤマトの追尾を開始した。 (続く)

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2199の劇中では、ゲールは日和見主義者とか無能のように描かれていますが、かりにも方面軍の司令官になった男です。案外、策士かも・・・という感じにしてみました。卑怯な策士ですけど。

tag : 妄想ストーリー

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Author:Kiryu

「美女が妖しく変貌する」、というテーマのもと、AVやドラマなどの映像作品について気ままに書いています。主に扱っている内容は、催眠、洗脳、悪堕ち、ふたなり、触手などです。関連して、改造した市販フィギュアや、製作したガレージキットも紹介しています。ときどき妄想ショートストーリーや、最近はイラストもアップしています。 (メールm_kiryu@live.jp)

(アダルトな内容を扱っているので18歳以下の閲覧を禁じます)

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